郡上紬
きもの愛好家に評判の高い岐阜の郡上紬は、春繭を手紡ぎ、地元の草木染の糸を使用して時間を掛けて手織りした織物です。郡上紬には独特の風合いがあり、蘇芳やコチニールや茜の赤色、苅安の黄阿仙の茶、正藍などを使い、綺麗な優しい色で織りだすために、染料と時間をたっぷり使って染めます。茜100回、藍100回とも言われています。草木染の割に堅牢度が高く、着て洗うほど深みと艶が出ます。染料液に糸を垂直に入れ、糸の繊維が染料を自然に吸い上げる力を利用した、どぼんこ染めは、糸を少しずつ引き上げたり、染料液を減らすことで、より美しい暈しを作ることができます。そうして染めた糸を組み合わせて縞や格子を作る幾何学模様が郡上紬の特徴です。
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