手機スクイ織 全通柄袋帯
西陣の達野商店制作の手機織袋帯です。紋紙を使わない手機織の帯は、全部が一点物です。手織物の着物は、量産物とは差別化され貴重がられるのに、それ以上の手間や技術が必要な手機帯の評価が低いのは、西陣帯の職人の待遇や賃金が低く、工芸展などへの個人出品などもなく、作品を世間に発表したり、評価を直接聞く事が出来なく、ただひたすら裏方作業に徹していたからでしょう。近年、個人機屋は小売店への直接販売を目指していますが、品物の良悪しを見る目が無い小売店への営業は、商品に詳しい個人客に販売するより難しい事になるのです。この手機織の全通袋帯は、年間2本しか織れない貴重品です。裏地も手機織です。
左右から織り込まれた色違いの緯糸は、中央で絡み合って折りかえって織られます
中央部の裏のアップ。色糸の渡が無いのは色糸がスクイ合わせて織っていくからです
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