唐獅子牡丹の男物長襦袢
手描きの男物長襦袢です。獅子は百獣の王ですが唯一怖いものがある、体の中に潜む虫、「獅子身中の虫」です。 これは仏教の話しで、要するに「裏切り」のことですね。獅子でも、我が身の中に巣食う虫によって、 内側から身を喰らわれるというお話し。 この虫を殺す力のあるのが牡丹の花からしたたる夜露で、獅子は夜、牡丹の花の根元で眠りその夜露を飲んで身中の虫を殺す。唐獅子は文殊菩薩の使者ですので、 十二支の卯年の守り本尊です。 それで卯年の役者さんが調度品や持ち物に唐獅子や牡丹柄を使ったりしました。私も卯年生まれなので好きなのです。
( 小物の話 )