手機織りは、どこにでも機を自由に持ち運びが出来るので、創り手の技術とセンスのみです。産地別で評価すのは全く違うと言えます。織物は、経と緯の糸を組み合わせる事で生まれますが基本的に直線が主です。櫛や筬を改良して、糸をヨロケさせる織りは各産地に有りますが、経か緯かのどちらかです。しかしこの帯は、経緯共にヨロケを試みて織られた、稀な帯です。職人もこの難しさを体験し、僅か1本だけで終わりました。